公正証書を作成することで、借主の金銭支払いを確実にすることができる。
公正証書とは、公証人の作成する文書で公文書であり、法律上社会的に信頼できる文書として取り扱われている。
また、この公正証書の原本は基本的に20年間保管されることになっています。それだけに紛争解決にはもってこいの手段ではあります。
ただし、この公正証書による強制執行は金銭の支払いを求めるものに限られています。つまり、借主が家賃の支払いを行なわず、不動産の明け渡しに応じないことについての効力はないということです。
この不動産の明渡しの強制執行は、訴えを起こして判決を得ることが必要となりますので、頭に入れておくといいでしょう。
家賃の滞納に対する支払いを約束し契約を継続させるときには、効果的なものになりますが、その後の不払いに対し契約解除後の不動産明け渡しにまでは及びません。
ただし、この公正証書を有効に使うこともできます。公正証書により、金銭の支払いに対する裁判をしなくても直ちに強制執行はできるので、家賃を滞納しその後の契約で支払いをするといった借主には心理的な圧迫を与えることもできますし、任意の履行を促す効果も大きくなります。
ですから、金銭面で話がまとまるような案件については公正証書を利用することもひとつのカードとして持っておくべきです。